山薬でメイン食材としてご提供している「自然薯(じねんじょ)」。
素朴で力強い響きをもつこの山芋は、昔から日本人の暮らしに寄り添ってきました。
山に分け入り、土の中から掘り出される自然薯は、大地の恵みそのもの。強い粘りと滋味あふれる風味は、他の山芋にはない特別な魅力です。
古代から現代に至るまで、人々の食を支え、またご馳走として親しまれてきた自然薯。
ここから、その奥深い魅力を少しご紹介してまいります。
現代の食卓に並ぶ野菜の多くは、海外から渡ってきた外来種です。
ヤマイモ類もまた、ナガイモやツクネイモなどが総称されて「山芋」と呼ばれていますが、それらは本来、畑作のために導入されたもの。
その中で、私たちが専門に扱う【自然薯(自然生・じねんじょう山芋)】は、学名を「ジャポニカ」といい、古くから日本人の暮らしと深く関わってきた、数少ない日本原産の山芋です。
自然薯は日本原産、大和芋は南方、長芋は中国原産。
これらをひとまとめに「山芋」と呼ぶようになりましたが、もとは自然薯こそが山芋の名を背負っていました。
その特徴はなんといっても強烈な粘り。
自然薯 > 大和芋 > 長芋 の順で、粘りと滋味が深まります。
香りも粘りも、ダシで倍に伸ばしてなお生きるのは自然薯だけ――その力強さが際立ちます。
秋から翌春まで半年にわたり採れる自然薯。
そして自然薯の葉のつけ根に生ずる実、「零余子」(むかご)は滋養が豊富で生でも食されることができることから、米や麦も知らない古代日本の原住民や縄文人にとっては、寒期の貴重・不可欠な食材でもあったと考えられ、山の幸として不動の位置にあったと思われます。
日本人には、この山の幸に育まれた 記憶が遺伝子に残されているようです。
土を思い出すような自然の風味を口にした時、ほのかに感じる懐かしさのような心身のゆらぎはそんなところからくるのでしょうか…
自然薯は唯一皮ごと食べられる山芋。
自然薯の皮には旨みと栄養素を多く含んでおり、皮ごと食べる事で自然薯の大地の香りを強く感じることが出来ます。
その為、食べる際はヒゲ根を焼き、水洗い後に皮ごと摩り下ろすことをお勧めします。
摩りおろした自然薯は、麺つゆや味噌などで伸ばしてご飯にかけ召し上がるのが一般的です。
その他にも生のまま柵切りにしてお刺身のようにして食べたり、生のまま海苔に挟み磯辺揚げなどにしてお楽しみいただけます。
ヤマノイモ属の植物は世界の湿潤な熱帯から、冷涼な地域にまで約650種あり、ほとんどが熱帯に分布しています。
日本に分布するヤマノイモ科の植物は、すべてヤマノイモ属であり、大陸からの輸入外来種であるナガイモと南方から輸入されたダイショ、そして日本原産種であるヤマノイモの3種が食用に使われている。
市場や地域によって名称は混同され、一括してヤマノイモと呼ぶこともありますが、植物分類上では「ヤマノイモ種」と言えば、自然生(自然薯)のみを指し示します。
(※ナガイモ群の中にツクネイモ、イチョウイモ、ヤマトイモと呼ばれるものも収穫されている)
ヤマノイモは古くから「自然に生える」ということから「自然生(じねんじょ/じねんじょう山芋)」と呼ばれ、学術的にもこの名称を使いますが、一般的な俗称では「自然薯(ジネンジョ)」もよく使われています。
自然薯の保管に適温なのが3~5℃。
ご家庭での保管は冷蔵庫での保存がおすすめです。
夏季や梅雨時期は特に商品の保管温度・保管状況により状態が変化しやすいです。
また、皮のついていない断面部分は空気に触れると変色します。これは山芋科の芋に含まれる成分が酸化し、黒くなる性質から。
切った断面や皮のついていない部分は空気に触れないようにしていただくことが大切です。
すりおろした状態ですと冷凍保管が可能です。
自然薯に含まれるフェノール物質が活性化している為です。
自然薯に活力がある証拠で問題ありません。暖かい所に置くと変色が早まりますので、冷蔵庫か冷たい所に置いてください。
手がかゆくなるのは自然薯に含まれるシュウ酸カルシウムという物質のせいです。
こすらずにお酢を水で薄めた酢水で軽く洗い流してください。
※なお、酢水で洗ってもかゆみが収まらない場合はアレルギーの可能性もあります。
いかがでしたでしょうか?
日本人とは昔からとても関わりの深い自然薯。
美味しいうえに栄養満点♪
また、解凍するだけで当店の味がお家で再現出来ちゃう、冷凍の『自然薯味付とろろ』も大人気です♪